-ヘビースモーカーの外科医たちが忽然と禁煙した理由- 当社製品監修ドクター著書「コロナの時代のアンチエイジング」のご紹介-14
当社で取り扱っておりますサプリメントならびに弾性ソックス・サポーター※は、北青山D.CLINIC院長 阿保義久先生にご監修いただいております。このたび、阿保先生の著書の一つ「コロナの時代のアンチエイジング」に関しまして、一部内容を抜粋し、みなさまにご紹介させていただけることになりましたので、各章の内容を数回に分けてご紹介いたします。是非、みなさまの健康維持にお役立ていただけますと幸いです。
(※医療用製品は医師の監修を受けておりません)
今回は第四章「肺の正常な働きを保つ」より、一部内容を抜粋してご紹介いたします。
-ヘビースモーカーの外科医たちが忽然と禁煙した理由-
かつて外科医の多くはヘビースモーカーだったが、
昨今は喫煙を否定する科学的根拠を受け入れて禁煙している。
外科医にとって、手術や術後管理のための長時間勤務は当然のことで、休日でも患者さんの急変時などに緊急に招集がかかることがしばしばです。そのストレスからか、外科医にはヘビースモーカーが多い傾向がありました。皆さんの健康管理をつかさどるべき医師がヘビースモーカーというのはけしからん話だと思われるでしょう。大学卒業後、自身の専門科として外科を専攻した私も禁煙はしていませんでしたが、多くの外科医師が喫煙常習者であることに当初違和感を覚えました。
ご存知のように外科は手術を担当する科です。私が所属した外科の医局は、当時、胃がん、食道がん、肝臓がん、膵臓がん、乳がんなど、主たるがんの手術と、血管の手術を担当していました。早朝のカンファレンスでは、手術予定患者さんの検査や治療方針に関して毎回真剣なディスカッションが交わされる中、カンファレンス室はいつもタバコの煙が充満していました。各臓器チームのリーダー格の医師たちは決まってヘビースモーカーでした。また、大学の医局を一時離れて都市部の総合病院で連日手術を担当することになった時も、手術の合間の休憩室では先輩外科医のほとんどがタバコを吸いました。
がんや大血管の手術という大きなプレッシャーを日々受けながら診療を担当する外科医は、そのストレス解消のためにタバコは手放せないのだろう、と妙に納得していました。言うまでもなく、タバコが、がんや血管病の発症リスクを大きくすることはどの医師も重々承知しており、日常診療で患者さんには禁煙を説いているのに自らは日常的に喫煙しているという、矛盾に満ちた状況でした。
ところが、いつしか、大学病院はもちろん市中病院においても、カンファレンスルームはおろか公共の場で喫煙ができるスペースはあっという間に無くなってしまいました。あのヘビースモーカーの医師たちも、右にならうように皆一切タバコを吸わなくなっていました。その理由として、国際的に禁煙が求められる風潮にあったことも挙げられるでしょうが、何よりも、喫煙があらゆる医学的観点において、重大な健康被害を生むことを示す科学的論拠が日に日に耳に入ってくるようになったことが大きいと言えます。
喫煙が健康上プラスになる点を無理やり探し出そうとしても何一つ見つかりません。脳を活性化させる、イライラを止める、という側面がタバコにはあると言われますが、そのためにタバコを続けていると、認知症や精神疾患の発症が大幅に増えてしまうという客観的事実が次々示されるようになりました。
そして、何よりも、喫煙者の周囲の人が吸うはめになる副流煙が健康を著しく害することが示されるようになったことも医師の喫煙を止める大きな理由であったでしょう。喫煙者自らが吸う主流煙よりも、周囲の人が吸いこむ副流煙の方が、ニコチン、タール、一酸化炭素などの有害物質が3~4倍多いということが示されたのです。
喫煙により自分だけが体調を崩すのであれば医者の不養生で片付けられるでしょうが、人の病を治し健康を管理する医師が、自ら周囲の方の健康被害を作り出しているとしたら、それは職業上の背信行為になります。受動喫煙による弊害が広く認知されるようになったことで、医師の禁煙が一斉に進んだと考えられます。
今回ご紹介する内容は以上となります。
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